世家の祝い事など、特別な場合にだけ親酒を汲み出してお客に献杯する。
さらに貯蔵中の揮散による欠減分も含めて、親酒の減った分は古い2番手の古酒で補充し、2番手の減った分は3番手で・・・という具合に順次補充し、最後の5番手は新酒で補充する。これは親酒のカメと、2番、3番、4番、5番と年代順の次ぎたしによって、古酒の風味を損なわないで、長年に渡り蓄えておくことができるというものです。
さらに、これらの条件を最も満たしてくれる熟成法は「南蛮ガメ」や「沖縄産の素焼きガメ」による伝統的な方法に帰される。
このような方法は、スペインのシェリー酒でも同様の方法が採られています。
果たして200年ものなどという古酒があったのかどうか、尚詮氏に訪ねてみた。「ありました。古いのは200年を超え、300年と伝えるのもありました。南蛮甕に入ったもの、唐壺に入ったものも、知花焼(南蛮甕の製法にならった琉球産の陶器)のものもいろいろ父は所有しておりました...。」
では、さまざまに秘蔵されていた古酒は一甕も残っていないのだろうか?...尚詮氏の話しでは、沖縄戦の激化で...空襲と艦砲射撃の砲弾によって、旧尚低とともに永久に失われてしまった。...戦争は300年ものの貴重な宝のような古酒も、それを育成した一代の美味・美酒を知る粋人もともに無惨に消滅させてしまったのである。... |